マルクス主義的アプローチ

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都市の住宅問題については,産業革命期以降の工業化のなかでの労働者の貧困な居住状態を記述したエンゲルス(1949)などのマルクス主義に立つ観点からの著作が多く,また横山(1949)に代表されるこの視点からのルポルタージュも少なくない。
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1970年代に出現し,都市問題などの社会的矛盾に着目したラディカル地理学の立場に立ったハウジング研究について,竹内(1980)やビート(Peet;1977)によるアメリカ合衆国におけるラディカル地理学の展望のなかでマルクス主義的観点による研究の特徴とその観点からのいくつかの事例研究が紹介されている。
そのなかで,ハーヴェイ(Harvey;1973)が都市の住宅市場を研究し,「伝統的な土地利用理論の弱点や政治システムの表現としての住宅市場の本質を指摘した」ことが紹介されている。さらに,ハーヴェイ(Harvey;1974)は「階層的な資本主義的住宅市場における階級的独占地代の発生の研究」(竹内;1984)を行い,「都市化のマルクス主義の立場から,資本主義の下における都市過程の再定式化」を試みた。
すなわちハーヴェイ(Harvey;1974)は,「都市の居住構造の地理的パターンを,資本主義的経済の構造的条件が現実には地理的に表徴されたものと見ることができる」(ジャクソン・スミス;1991)。

住宅政策の展開

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住宅政策の展開については,石田(1987)や本間(1988)などが建築史や都市計画史の立場から紹介しているが,水内(1984)やミズウチ(Mizuuchi;1991)は,昭和初期の不良住宅地区改良事業などの施策がいかに都市空間の形成に関与し,都市社会政策への国家の介入がいかに行われたのかについて検討している。このような観点について,水内(1994)は政治的・社会的コンテキストから近代都市空間形成へのアプローチの意義を検討した。
またマクドウェル(McDowell;1986)は,「住宅研究の分野の中で社会的プロセスと空間的構造との相互作用についてのより完全な理解は,地理学者によって開発され始められたところである」と指摘したが,これは今後の地理学的なハウジング研究において,制度論的なアプローチの可能性を高く評価するものと考えられる。しかしながら地理学のハウジング研究において,住宅需給を取り巻く社会や経済,さらには文化的な制度的制約などがいかに住宅の需給や居住者の特性に影響を与えたかについては未だ十分なアプローチがなされたとはいえない。
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制度論的アプローチでは不十分であるとして,この研究の方向性はハーヴェイによるマルクス主義的アプローチへも展開した。

インナーシティ問題へのアプローチ

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新たな研究の視角として注目されるのは,ハウジングをジェンダーの観点からとらえようとする立場である。ルイス・ボールピー(LewisandBowlby;1991)は,公共サービスとしての公営住宅が単身女性や離婚して子どもを養育している女性にとって重要な役割を担っているにもかかわらず,削減されている問題を指摘した。
それによって,公営住宅供給をジェンダーとの関連でとらえ,さらに,住宅市場において差別的に作用する制度上の問題から住宅問題に内在するジェンダー問題にアプローチしようとする動きもある。
これまでのわが国における住宅研究や住宅地研究では,制度論的なアプローチから行われた地理学的研究はあまり事例がみられないが,水内(1984)は歴史地理学的観点と社会地理学的観点を融合させ,都市形成要因としての都市計画策定者や都市管理者に着目し,昭和初期の富山市における都市形成が政治的権力によりどのように形成されたのかを明らかにしようとした。
また,大正期の東京都におけるインナーシティ問題へのアプローチにおいて,労働運動の活動の展開から当時の労働者階級の居住分布を明らかにした。
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これまでも住宅問題に対する土地政策に関しては,大場(1993)がドイツの自治体の土地政策の展開において住宅市場に対する行政のコントロールへの展開を紹介した例があるが,都市経営における住宅政策に関してこれまでの地理学的研究は,あまりにも無関心であったと言わざるを得ない。

都市の住宅市場に関する地理学的な観点

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都市の住宅市場に関するとくに地理学的な観点は,例えば,住宅の異なる様式や所有の空間的位置などのような,異なる都市の近隣地区の創出を分析しており,そのようなオータナティブな方法に関する優れた要約がバセット・ショート(BassettandShort;1980),パシオン(Pacione;1979),ショート・バセット(1981)やディールマン(Dieleman;1983)などに見いだされる。
しかしながら,「地理学者はハウジングに関するいくつかの観点,すなわち住宅供給の構造,国家の住宅政策に関する変動的なイデオロギー的,物質的基礎を否定する傾向にある。都市経済学者のバール(Ball;1983)による住宅生産の社会的関係に関する研究は,地理学者が新分野を開拓するのに貴重な刺激を与えた。地理学者ショート(Short;1982)は第二次世界大戦後のイギリスの住宅政策に関する序論的調査を出版した。また,住宅政策に関しては,多くの地理学者の自民族中心的な偏向(ethnocentricbias)を平衡化する手助けとなるような,住宅政策に関する興味ある比較研究もある(Duclaud-Williams;1978,Harloe;1985)」とハウジング研究の政治的しくみや制度的制約への関心の移行がみられる。
上記で議論した住宅政策に関連した住宅市場のうち,最も直接的に制度的制約を受けているのが公営住宅市場である。政治・経済体制が異なる諸外国にあって西ヨーロッパの社会保障制度の整備されたイギリスやドイツにおける公営住宅の供給や配置,および公営住宅居住者に関する研究が地理学においてもなされている。
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例えば,公営住宅率の高い高福祉国家イギリスでは公営住宅が有色移民などのマイナリティに対して不利な位置が紹介・斡旋されることや,スラムクリアランスとの関連などについて研究されている(Williams;1976,English;1976,Pinch;1978,Dennis;1978)。また大場(1994)は,ドイツの工業都市における非営利的住宅施策の展開を紹介した。

住宅供給と住宅政策

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「様々な階級への接近(アクセス)は,誰がどのタイプの住宅に住むかを制御する都市管理者(urbanmanagers)や門番(gatekeepers)によって,デザインされ操作される適格ルール(eligibilityrules)により決定される。住宅階級の概念は,共通の価値システムと(前述の7つの階級に沿った)居住願望の尺度(scale)を仮定している。この仮定や,所有(ownership)よりむしろ資源の配置(disposal)によって定義した階級に対して,批判されている」(Eyles;1986)。
ウィリアムズ(Williams;1978b),ノックス・カレン(KnoxandCullen;1981)やショートほか(Shortetc;1987)などにもみられるこの概念は,ウェーバー理論(Weberiantheory)に基礎を置くものであり,この理論をもとにした研究では「住宅への様々なアクセスの方法」が検討され,都市管理者や門番のルールに部分的には決定されるとの観点に立つものである(McDowell;1986)。
都市地理学におけるこのような制度論的な立場や見方が,ハウジング研究においてどのように展開してきたのであろうか。1970年になると,「マルクス主義者と構造主義者の,都市管理者の独立性の制限的程度についての批判が,資本主義的経済での社会関係(socialrelations)の構造へ注意を引かせた。
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そして,住宅供給(housingprovision)と住宅政策(housingpolicy)を,資本主義社会のより広い社会構成と階級闘争(classstruggle)に関連づけた(Boddy;1976)」が,「これが,政治社会学者と政治科学者間の興味ある論争を引き起こした。例えば,住宅システムにおける世帯のさまざまな位置が,現代西欧社会での階級区分を交錯させるのか,あるいは強化するのかというような,サンダース(Saunders;1981,1984)とダンレヴィ(Dunleavy;1980)との論争や一方でマルクス主義的分析との論争(Harris;1984)のような,政治社会学者と政治科学者間の論争を引き起こした」。